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第2回 インタビュー:パティントン・エリザベス・正子/Elizabeth Masako Partington(パリ・オペラ座バレエ団員)
2022年にパリ・オペラ座バレエ学校を卒業しパリ・オペラ座バレエ団の契約団員となっていたパティントン・エリザベス・正子/Elizabeth Masako Partingtonさん。2023年7月、パリ・オペラ座バレエ団の入団試験を受け、外部試験1位で正式団員となりました。
今後のご活躍が期待されるパティントン・エリザベスさんにインタビューをさせていただきました。
Q1.バレエを始めたきっかけをお教えください。
Elizabeth ;
4つ上の姉が習っていたので、自分も真似したくて始めました。
レッスンにも二人で通っていました。
二人バレエを習っていたので発表会やコンクールなど経済的負担は大きかったので両親は二人ともフルで働かなければいけなく、おじいちゃんとおばあちゃんが送迎をしてくれていました。
Q2.バレエを続けてきて辛かったことやくじけそうになったことはありますか。
Elizabeth ;
辞めたいと思ったことも、日本に帰りたいと思ったことも一度もありませんでした。
バレエはテクニック習得も大切ですが、きれいにみせるために、体型管理にはとても苦労しました。
Q3.12歳でパリ・オペラ座バレエ学校に入学されていますが、学校生活で苦労したことはございますか。
Elizabeth ;
最初は言葉がわからなくて苦労しました。
入学が決まってから日本で少しフランス語を勉強してから行ったのですが、それでは全然足りず、最初は全く先生やクラスメイトやルームメイトとコミュニケーションがとれませんでした。それでも、元々英語が話せたこともあってか、半年くらいでだいぶフランス語も話せるようになりました。
オペラ座バレエ学校では午前中は普通のフランスの学生と同じカリキュラムで勉強し、午後にバレエのレッスンを受けるのですが、フランス語で社会や理科を勉強するのは難しかったです。特に外国語としてフランス語でドイツ語を学ぶのはとても大変でした。
また、パリ・オペラ座バレエ学校の最終学年に進級するためには、学校の勉強以外でバレエの歴史と音楽そして解剖学の試験に合格して資格を取らなければならず、この勉強も大変でした。
バレエ以外の座学の勉強は本当に大変でしたが、今はそのおかげでフランス語で困ることはありません。銀行や役所関係の手続きも全部自分でできるようになりました。
Q4.日本から海外のバレエ学校に留学される方は多いですが、これから留学される方にアドバイスをお願いします。
Elizabeth ;
どんなことでも受け入れられるよう、オープンな気持ちでいることがとても大切です。
思うようにいかないことのほうが多いのも事実なので、どんな状況でもポジティブに考え、辛ければ辛いほど学びが多いと思ってがんばってください。
Q5.これまで踊ったなかで最も印象に残っている作品とこれから踊ってみたい作品は何ですか。
Elizabeth ;
最終学年の学校公演で踊った『夢遊病の女』~バランシンが最初にやらせていただいた主役なのでやはり印象に残っています。
『バヤデール』のニキヤを踊ってみたいです。あの役は高度な演技力が必要とされるので挑戦してみたいです。
Q6.バレエ団に入団してから気をつけていることはありますか。
Elizabeth ;
8月28日が正規バレエ団員としての最初の契約日となります。その日から42歳までパリ・オペラ座のバレエ団員として踊り続けるつもりです。
入団は新たな第一歩です。初心に戻って、見に来てくださるお客様のためにいつでも100%の舞台になるよう努力を惜しまずがんばっていきたいです。
Q7.今後の目標を教えてください。
Elizabeth ;
パリ・オペラ座は階級制です。
11月に実施される昇進試験は初めての経験になりますが自分をだしきれるよう、努力していきたいです。
公演のレッスンやリハーサルももちろんあるので、その練習のための時間を作るのが大変だと予想されますが、悔いが残らないよう精いっぱい頑張りたいです。
最後にパティントン(Instagram:elizabeth_partington_)さんから皆さんにメッセージがございます。
2024年2月に4年ぶりのパリ・オペラ座日本公演があります。私はまだツアーに参加できるか発表がないのですが、皆さんぜひ観に来てください!
https://www.nbs.or.jp/publish/news/2023/03/-2024.html
2004年7月21日 | 神奈川県相模原市に生まれる。(2023年7月21日で19歳となる。) |
2007年 | 3歳でクラシックバレエを習い始める。 |
2013年5月 | チャコット・ドリームプロジェクト『パリ・オペラ座バレエ団日本公演2013「天井桟敷の人々」特別エキストラ出演者オーディション』に合格し、5月30日、31日、6月 1日、東京文化会館で同作品に子役として出演した。バレエ「天井桟敷の人々」はジョゼ・マリティネズの振付作品で、主演:イザベル・シアラボラ、アニエス・ルティステュ、マチュー・ガニオ、ステファン・ビュリオンだった。 |
2013年11月 | ユース・アメリカ・グランプリ(YAGP)日本予選 プリコンペティティブ部門 TOP 12 |
2014年4月 | YAGPニューヨーク本選出場 ロックバレエスクールスカラシップ受賞 |
2015年11月 | ユース・アメリカ・グランプリ(YAGP)日本予選 プリコンペティティブ部門TOP 3 英国ロイヤルバレエ学校短期研修賞 |
2015年12月 | エヴァ・エフドキモア記念 バレエコンペティション 児童の部 第1位 審査員長賞受賞 アレクサンドル・ヴェトロフ ボリショイバレエ団 |
2016年1月 | KKインターナショナル入学 木村規予香師事 |
2016年1月 | 英国ロイヤルバレエ学校短期留学 正式入学許可を得るが経済的な理由で断念 |
2016年5月 | パリ・オペラ座バレエ学校入試 首席で合格 |
2016年9月 | 12歳でパリ・オペラ座バレエ学校に入学(当時6年生/単身渡仏) |
2017年3月 | 相模原市立富士見小学校卒業 |
2019年6月 | 進級試験1位 (入学から卒業まで、順調に進級) |
2020年6月 | フランス・ブルベ(中学卒業)試験合格 |
2020年9月 | 日本政府文化庁新進芸術家海外研修制度 海外研修員に選出され、フランス派遣 16歳でパリ・オペラ座バレエ学校を卒業と同時にバレエ教師資格取得 在学中は、元エトワール:イザベル・シアラボラとファニー・ガイダに師事 |
2020年4月 | 学校公演:『コッペリア』友人役 於:ガルニエ宮 |
2021年10月 | 学校公演:『ナポリ』第3のバリエーション パリ・オペラ座バレエ学校内 |
2022年4月 | 学校公演:『ソムナンブラ』ジョージ・バランシン 主役 於:ガルニエ宮 |
2021年6月 | パリ・オペラ座バレエ団の入団試験を受け、契約団員として『春の祭典』に出場 |
2022年6月 | パリ・オペラ座バレエ団の入団試験を受け、契約団員となる。 入団試験の成績:学校内部生対象試験5位、外部試験2位。 |
2022年12月 | 『白鳥の湖』群舞 於:オペラ・バスティーユ |
2023年3月 | パリ・オペラ座韓国公演ツアー参加 『ジゼル』群舞 |
2023年7月 | パリ・オペラ座バレエ団の入団試験を受け正式団員となる。 入団試験の成績:外部試験1位。 ※2023年シーズンより、ジョゼ・マリティネズが同団の芸術監督に就任となった。 |