NBAバレエ団「死と乙女」直前リポートvol,2


5月27・29日に行われるNBAバレエ団公演「死と乙女」のリハーサルリポートの2回目です。この作品は和太鼓を世界に知らしめ、これまでにない「太鼓音楽」を創造し続ける林英哲氏とその実力は世界的にも評価される作曲家、新垣隆氏、斬新かつスタイリッシュな振付でバレエ界に新風を吹き込む気鋭のコリオグラファー、舩木城氏、そして日本人による日本のオリジナルバレエで世界に打って出たいと今回の作品の熱意を語る、芸術監督、久保紘一氏。それぞれのジャンルのトップランナーが集結し出来上がった作品それが今回ご紹介する「死と乙女」です。この日は林氏の和太鼓、新垣氏のピアノ、舩木氏と久保氏のバレエが揃う初の合同リハーサルということもあり終始熱気に包まれたものとなりました。

今日は「死と乙女」のリハーサルの模様とNBAバレエ団芸術監督久保紘一氏のインタビューをお届けいたします。

 

久保紘一プロフィール写真リサイズ

久保紘一(NBAバレエ団芸術監督)

コロラドバレエ団のプリンシパルとして20年活躍。2010年にコロラドバレエ団を退団後、2012年NPO法人NBAバレエ団の芸術監督に就任。次々と意欲的作品を発表し日本のバレエ界にて注目されている。2015年NBAバレエ団の数々の公演の成果により文化庁芸術祭新人賞を受賞。

 

Q.和太鼓、ケルツ、死と乙女の3部構成となりますが、それぞれの見どころをおしえてください。

久保氏:まずは第1部の和太鼓ですが、こちらは林英哲氏がメインで、バレエは花を添えるだけです。林氏の素晴らしい演奏を楽しんでいただければと思います。第2部はケルツ。この演目はサンフランシスコバレエで初演されました。私もアメリカ時代踊っていて、日本ではNBAバレエ団が2013年に初演したのですが、いい作品なのに日本であまり知られていないのが残念で今回演目に加えることになりました。内容はアイリッシュダンスにバレエのテクニックを加えたような感じで、今回は男性パートに通常パーカッションだけのところを英哲風雲の会の和太鼓をプラスし、迫力のある踊りとなっています。第3部が「死と乙女」で、これは素晴らしい人との出会いによってうまれました。以前取材で日本のオリジナルをやってほしいと言われ、コンセプトや人選で悩んでいたところ林氏を紹介され、いつか一緒に舞台を作りたいですねとお話をしたところ、その後それが実現できそうなこととなり、林氏から新作ならこのかたに作曲をお願いしようと新垣氏を紹介していただきました。そこに振付家の舩木氏が加わり「死と乙女」が作られることとなりました。作品を作り上げる中で自分たちにもお客様にも刺激を与えたいと思い、今回はきれいなだけのバレエでなくかなり刺激のあるものとなっています。和太鼓は鼓動と共鳴するように直接身体に響きわたり、ピアノはその情景を語りかけるようにメロディを奏で、その踊りは息を吸うのも忘れるような迫力があります。それぞれが最大限に力を発揮してひとつの作品となっていて、その絶妙なバランスが難しいところであり、魅力でもあります。

 

Q.なぜ今回バレエに和太鼓という、ある意味異質なものを合わせようと思ったのですか。

久保氏:和太鼓・作曲・振付・ダンサーすべてが日本人で日本のオリジナルバレエを作りたい、そういった思いがありましたし、その作品で世界に打って出たいと考えていたからですかね。「死と乙女」はそういう作品にしたいですね。

 

Q.今回の「死と乙女」に続き12月の公演でも新作を発表するそうですね。

クリスマスのくるみ割り人形のように定番もありますが、通常公演ではNBAバレエ団は新作公演がかなり多いほうだと思います。新作、それも初演ですと興行的に難しいところもありますが、常に新しいことにチャレンジしてくのがNBAバレエ団のアイデンティティとなっていますから。

 

Q.多くの方にバレエに興味を持っていただき、公演に足を運んでいただきたいと思いますが、バレエをまだ観たことのない方々へメッセージをお願いします。

日本のバレエ人口はとても多いのですが皆さん自分が踊りたいとの気持ちがとても強く、なかなかバレエ団の公演には足を運んでいただけないのがNBAバレエ団だけでなく日本のバレエ団の現状だと思います。ですが、プロの舞台はご覧いただければその素晴らしさはご理解いただけると思いますので是非足を運んでいただきたいと思います。芸術とは観ていただく観客があってこそだと思いますから。

 

Q.NBAバレエ団は日本初演の公演や新作を多く手掛けバレエの魅力を常に多くの方々に発信し続け、それだけでなく日本各地でコンクールを開催するなど、バレエダンサーを目指す子供たちの育成にも力を注いでいると思います。そこで将来バレエダンサーを目指す子どもたちにもひとこと。

一番はどんなことがあってもずっとバレエを好きでいてほしいってことですね。あとはしっかりとした目標、誰々のようになりたい、そういったことでもいいのでその目標に向かってしっかりと努力を怠らないでほしいです。そしてコンクールなども大切だと思いますが、決してそれがすべてではありませんので、もっと舞台を観るなどしていろいろと勉強してほしいですね。

 

では、「死と乙女」のリハーサルの模様をどうぞ。

リハ5

林氏も真剣な面持ちです。

 

リハ6

新垣氏も準備に余念がありません。

 

リハ10

第3部「死と乙女」のリハーサルが始まりました。

 

リハ1

久保氏も登場です。

 

リハ4

細かいところも繰り返しチェックします。

 

リハ23

踊りから感情が伝わってきますね。

 

リハ24

和太鼓やピアノに負けない激しい踊りが続きます。

 

林英哲氏と新垣隆氏、舩木城氏、そして久保紘一氏の4人のセッションが「死と乙女」という素晴らしい作品を作り上げました。是非劇場に足を運んでご覧になってはいかがでしょうか。

 

『死と乙女』

日時:2016年5月27日(金)開場18:30・開演19:00

日時:2016年5月29日(日開場12:30・開演13:00

日時:2016年5月29日(日)開場16:30・開演17:00

公演は約2時間を予定しております。

会場:北とぴあ

チケット料金:

全席指定5月27日(金)プレビュー公演

 SS席 9,000円

 S席 7,000円

 A席 6,000円

 学生席 3,000円(大学・高校生)

5月29日(日)本公演

 SS席 10,000円

 S席 8,000円

 A席 7,000円

 学生席 3,000円(大学・高校生)

注意事項:3歳未満の乳幼児のご同伴はご遠慮ください。

※29日13:00のSS席は完売しました。

チケット販売:発売中

お問い合せはNBAバレエ団事務局(月~金10:00~17:00)

Tel:04-2937-4931

詳しくはNBAバレエ団サイトで


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