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NBAバレエ団「死と乙女」直前リポートvol,1
5月27・29日に行われるNBAバレエ団公演「死と乙女」のリハーサルにお邪魔させていただきました。この作品は和太鼓を世界に知らしめ、これまでにない「太鼓音楽」を創造し続ける林英哲氏とその実力は世界的にも評価される作曲家、新垣隆氏、斬新かつスタイリッシュな振付でバレエ界に新風を吹き込む気鋭のコリオグラファー、舩木城氏、そして日本人による日本のオリジナルバレエで世界に打って出たいと今回の作品の熱意を語る、芸術監督、久保紘一氏。それぞれのジャンルのトップランナーが集結し出来上がった作品それが今回ご紹介する「死と乙女」です。この日は林氏の和太鼓、新垣氏のピアノ、舩木氏と久保氏のバレエが揃う初の合同リハーサルということもあり終始熱気に包まれたものとなりました。
今日と明日、2回に分けてリハーサルの模様をお届けいたします。まずは林英哲氏と新垣隆氏、舩木城氏のご紹介と今回の作品「死と乙女」についていくつかご質問をさせていただきました。
林英哲(太鼓奏者)
「佐渡・鬼太鼓座」「鼓童」の創設に関わり、11年間のグループ活動 を経て、1982年ソロ活動を開始。1984年カーネギホールにデビュー。以後、前例のない太鼓ソリストというジャンルを開拓する。ベルリン・フィル(2000年)との共演など、太鼓ソリストとしてジャンルの異なる世界 のアーティストと共演しながら活躍のフィールドを広げている。演奏活動45周年を迎える2016年は、2月にフランス・ナント市で開催の「ラ・フォル・ジュルネ」、9月に国立劇場、11月1日にはサントリーホールで45 周年記念公演と、さまざまな公演を予定している。今回は彼の音楽に共鳴する太鼓ユニット「英哲風雲の会」も特別出演。
Q.バレエと和太鼓という一見合わない組み合わせのように思えますが、それを融合させてひとつのものにする難しさ、意気込みをお願いします。
林氏:これまでピアノと一緒に演奏したことはもちろんあります。バレエとも以前NYで私の演奏に合わせて踊っていただいたことはありますが、今回のようにピアノ、バレエと一緒にひとつの作品として演奏するのは初めてですし、特に「死と乙女」は一から作り上げた新作ですので格段に難しかったですね。今までと違った新しい作品になりましたので、皆さん楽しみに観に来てください。リズムが複雑で難しいのでバレエをみる余裕はないと思いますが足を引っ張らないように頑張ります。(笑)
新垣隆(作曲家)
東京都出身。桐朋学園大学音楽学部作曲科を卒業後、作曲家、ピアニストとして活動。現代音 楽を主体に、映画やCM音楽の作曲も手がける。2013年度まで母校の非常勤講師として約20年間勤務。最近ではさまざまなTV番組に出演し、クラシック音楽を身近なものとして楽しめるよう尽力している。作曲を南聡、中川俊郎、三善晃、ピアノを中岡秀彦、河内純、武藤哲彦、森安耀子 の各氏に師事。
Q.今回の舞台のために素晴らしい曲をお作りになったそうですね。
新垣氏:これまで多くの曲を作ってきましたが、今回のように和太鼓とバレエとの融合といったかたちでの作曲は初めてでした。演目名の「死と乙女」はエゴン・シーレの絵画「死と乙女」からきていて、そのイメージに合わせてひとつの統一感をもたせた短い楽曲を10曲作りました。それをつなぎあわせることよってひとつの「死と乙女」という曲が仕上がっています。そして今回の舞台は林英哲氏の和太鼓、舩木城氏と久保綋一氏のバレエ、そして私のピアノが舞台上で、しのぎあい、主張しあい、高めあいます。つまりそれぞれが主役であり、そのすべてがひとつになったときがこの作品が完成する時だと思いますので是非その瞬間を観に来てください。
舩木城(振付家)
山梨県出身。今村博明、川口ゆり子に師事した後、バレエシャンブルウエスト、新国立劇場バレ エ団、ロイヤルニュージーランドバレエ団で踊る。同バレエ団在団中に振付を始め、これまでに数多くの作品を発表。そのすべてが国内外から高い評価を受けている気鋭の振付家。NBAバレエ団では”Thousand Knives”(2012)、”Tobila”(2013)、”Beyond”(2014)を発表。
Q.「死と乙女」は新作であり、和太鼓・ピアノとのセッションもありと振り付けは苦労なさったのではないですか。
舩木氏:初めは難しいかなと思っていたのですが、これまでクラシック、コンテンポラリーも含めていろいろと振付をしてきたので、和太鼓であってもピアノでもあっても特に変わらなかったと思います。ですが、和太鼓とピアノの存在感がかなり強かったため通常のクラシックのように優雅なものでなく、激しくエネルギッシュなものとなりました。そのエネルギッシュな踊りを楽しんでいただきもっとバレエを好きになって欲しいですね。今回は新作ですので幕が上がるまで怖いですが、とても素晴らしい作品となっていますので是非見に来てください。
熱気のこもったリハーサルの模様をどうぞ!
第1部の和太鼓のリハーサルです。
第2部のケルツから。
こちらもケルツのリハーサル。
ケルツの男性パートは英哲風雲の会の和太鼓とのセッションです。
こちらもケルツの男性パート、力強い踊りですね。
なにやら相談中ですね。
明日はNBAバレエ団の芸術監督、久保紘一様のインタビューと「死と乙女」リハーサルの模様をお届けします。
『死と乙女』
日時:2016年5月27日(金)開場18:30・開演19:00
日時:2016年5月29日(日)開場12:30・開演13:00
日時:2016年5月29日(日)開場16:30・開演17:00
公演は約2時間を予定しております。
会場:北とぴあ
チケット料金:
全席指定5月27日(金)プレビュー公演
5月29日(日)本公演
注意事項:3歳未満の乳幼児のご同伴はご遠慮ください。
※29日13:00のSS席は完売しました。
チケット販売:発売中
お問い合せはNBAバレエ団事務局(月~金10:00~17:00)
Tel:04-2937-4931